炎の七番勝負とヒッポリト星人

abemaTVでやっていた『藤井総太四段 炎の七番勝負』をすべて観た。時系列を追いたかったので第一局から順番に・・・やっとのことですべて観た。無料でビデオを公開してくれたabemaには、あらためて感謝したい。

 

結果はすでに報じられているとおり藤井四段の6勝1敗。

 

第一局 vs増田康宏四段
第二局 vs永瀬拓矢六段

増田四段は昨年の新人王、永瀬六段は電王戦でも勝ち羽生三冠とも互角に渡り合っている若手強豪だ。

増田戦は首の皮一枚かわして勝つような見応えのある熱戦。永瀬戦はズブズブと泥沼に引きずり込まれていくような苦しい敗戦となった。

この時点では「活きのいい若手が出てきたな」といった感じだが・・・

 

第三局 vs斎藤慎太郎六段
第四局 vs中村太地六段
第五局 vs深浦康市九段
第六局 vs佐藤康光九段
第七局 vs羽生善治三冠

この5人を片っ端から倒していく様子は物凄いインパクトがあった。

第三・四局は、昨年度の最高勝率賞だったりタイトル奪取寸前までいったりという東西の実力派イケメン棋士。残る3人はタイトル経験者の現役A級。その5人が普通に追い詰められていって、粘りの手・逆転狙いの勝負手も正確に受けられ、容赦なく即詰みに討ち取られていく。すごい!という興奮よりも、寒気のような空恐ろしさを感じさせる対局。最後の3人なんか、ほぼ欠かさずに棋譜を見てきたような憧れの棋士だったので、恐怖感というか絶望感みたいなものを感じながら観ていた。

 

最後の羽生三冠が負けていく様子を眺めながら、

「あれ?この絶望感って以前に感じたことがあるぞ」と思い、しばらく記憶を振り返っていたのだけれど・・・あれだ。ヒッポリト星人だ!

ウルトラ兄弟をタール漬けのブロンズ像にしてしまったヒッポリト星人。ゾフィーもセブンもウルトラマンも新マンも変なカプセルに閉じ込められてカッチカチにされてしまった、あのときの衝撃にすごく似ているのだ(頭数が合わないけれど)。

 

そうすると、ただ一人生き残った永瀬六段はウルトラマン・エースということになろうか。なんとなくだけど顔立ちも似ているような気がしないでもない。